老いてなお、自分を律する姿は美しい
世阿弥の「花鏡」という書物に「老後の風体に似合ふ事を習ふは、老後の初心也。」とあります。「老いた姿に似合うこと」とは、どのようなことなのでしょうか。もちろん、若いときのような、力強くそして美しい動きはできません。けれど、だからと言って、動かないことではないと思いたい。
私の隣を走っている方は、80歳を越えているように見えます。その走りはゆっくりですが、踏み出す足は確かです。表情から感情は読み取れませんが、苦しそうではありません。淡々と走っています。そして言うまでもなく、力強く美しい走りではありません。
けれど、その姿を見て思いました。老いてなお、自分を律する姿は美しい…と。