紅の薔薇の芽
その雨はきっと、あなたの門出を応援している雨なのだと思います。
五月の連休のことです。朝起きると雨でした。その日は教え子の結婚式で、挨拶を頼まれていました。「あぁ~、雨か。」と外を眺めると、庭の薔薇に目が留まりました。赤い芽が50センチほど力強く成長しています。
…ということで、今日は餞の言葉に代えて、正岡子規の短歌を紹介させていただきます。くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる。…この歌の「針」は、一般的に薔薇の「棘」と解釈されていますが、私は「まっすぐで細い」と読み、春雨の形状を比喩的に捉えた言葉と解釈しています。したがってこの歌の意味は、細い針のような春雨が柔らかに降りかかって薔薇の芽の生長を優しく暖かく育んでいる…となります。
今聞くところによりますと、新婦はお腹の中に新しい命を宿しているということです。薔薇の芽の紅は赤ちゃんの赤につながっているように思えます。今朝の春雨は、二人の幸せはもちろん、生まれてくる赤ちゃんの成長も育んでくれるものと思います。…。
門出の日が雨だったら、良い気持ちはしないものです。けれど、門出の日が雨のことはしばしばあります。でもその雨はきっと、あなたの門出を応援している雨なのだと思います。