希望とは存在である
「何でもある。だが、希望だけがない。」―― 21世紀になってすぐ、2000年の7月、村上龍さんの「希望の国のエクソダス」が刊行されました。これはその有名なキャッチフレーズ* です。そのとき以来、「希望」とは何か、答えを探し続けずにはいられなくなりました。
そして10年の月日がたちました。その間、これだ! と確信できる答えはなかなか見つかりませんでした。ところが、2010年のある日、吉田修一さんの「横道世之介(2009年刊行)」という小説に出会います。この物語の最後の方で吉田さんは、どことなく頼りない世之介の「存在そのものが希望である」と言います。
その時です。この言葉をひっくり返して「希望とは存在である」としてみました。腑に落ちました。「そうだ、希望とは存在なんだ!」と確信しました。しばらくして、ある歌の歌詞が耳に留まりました。和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」という曲です。その中に「あなたには希望の匂いがする」とあります。希望とは存在なのです。
* 「希望の国のエクソダス」第2版 文藝春秋 の 309ページ最終行に「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」とあります。
いっしょに読んでください。