① p154 ……あの「知命」であります。本日は最終講義ということですが、要するにそのことばの解釈と申しますか解説に加えて、多少私の体験を交えたお話をしたいと考えております。
② p174 孔子の場合、「天」という人間の力を越えた大きな存在によって、自分が枠づけられているということは、同時に自分の分際を与えられているのだと自覚したわけで、これが「天命を知る」ということとかかわってきます。
③ p187 人間らしくというのは、自分なりに考えられる、枠づけられ、あらしめられている人間としてのことです。そうした人間として努力していくだけのことです。そして、その努力の結果がどういうことになろうと、それはそれでやむをえない。ちっぽけな存在だからしかたがない。それを、人間どうしの小さい背比べで他人を羨んだり、世間を恨んだりするのは、愚かなことです。孔子の考えがこの通りであったかどうかはもちろん確実には言えませんが、現在の私はまあそんなことを考えているのです。