その頃のアンジェラさんにとって「自分の声を信じて歩けばいい」は、自分の苦しみの中から湧き出た、自分に言い聞かせるための言葉だったのだと思います。
「自分の声を信じて歩けばいい」は、アンジェラアキさんの「手紙~拝啓十五の君へ~」にある言葉です。いい言葉です。それは望ましいことだし、間違っていないし、それができれば素晴らしいことです。けれど…、難しい。
自分の声を信じられるようになるには、精進とか鍛錬とか研鑽とか、昔の人は難しい言葉を使うかもしれないですが、要するに濃い経験、つまり不断の努力の積み重ねが必要です。なぜなら自信はそこから生まれるからです。
「手紙」がリリースされたのは2008年ですが、その頃のアンジェラさんは叫ぶように、そして険しくきつい表情で歌っていました。だからその頃のアンジェラさんにとって「自分の声を信じて歩けばいい」は、自分の苦しみの中から湧き出た、自分に言い聞かせるための言葉だったのだと思います。
それからおよそ15年、2024年10月2日、NHKで「拝啓 十五の君へ~30歳になった私からのメッセージ~」という番組が放送されました。そこでアンジェラさんが「手紙」を歌いました。番組をご覧になった方も多いと思います。アンジェラさんの「手紙」は15年前の「手紙」とは全く別の「手紙」でした。表情が穏やかでした。そして優しく語りかけるように歌っていました。素晴らしかった。
ただ私にとって、15年前のアンジェラさんのネイキッドな感情があふれ出た「手紙」は、15年後の語りかけるような「手紙」を聞いた後であっても、なお、いとおしく魅力的な「手紙」であり続けています。
いっしょに読んでください。