津軽鉄道


あの柔らかさがあるからこそ伝わるのかもしれない


 晩秋の津軽鉄道に乗りました。乗車中は女性のガイドさんがいろいろ説明をしてくださいます。そのガイドさんの柔らかく穏やかな津軽弁が、車内に心地よく響きます。

 また沿線の田んぼの中には、線路に沿って高い木の柵があります。最初は稲を掛けるハゼかなと思いましたが、防雪柵と言うことでした。五所川原を出発した列車の、進行方向左側に多かったように思います。日本海側から横殴りの雪が、風とともに吹き付けるのでしょう。

 金木にある斜陽館の、道路を挟んだ向かいに津軽三味線会館があります。当初の計画にはなかったのですが、斜陽館との共通券を購入したので見学しました。そして偶然、津軽三味線の生演奏を聴くことができました。素晴らしい演奏でした。

 演者の解説によれば、吹雪の中でも聞こえるように津軽三味線の演奏は工夫されているのだそうです。そのせいか、演奏を聴いていると三味線の音色が激しい吹雪の音に聞こえてきました。

 その三味線の演奏を聴いていると、吹雪に閉ざされた家の中で、囲炉裏を囲む家族の情景が思い浮かびました。その家族は、あの津軽鉄道の車内で聞いたのと同じ津軽弁で、口数少なく、小声で会話しています。

 ――吹雪の中で、あの柔らかな言葉で伝わるのだろうか…と思ってしまいました。しかしその一方で、――あの柔らかさがあるからこそ伝わるのかもしれない…とも思いました。

 もう一度、津軽弁を聞いてみたいと思いました。そう言えば津軽鉄道では、もうしばらくすると雪の中をストーブ列車というのが走るそうです。その頃もう一度、津軽鉄道に乗ってみたいです。


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