ローカル線の旅

山の中をゆくローカル線 運転席からの景色


若かった頃はもっといろいろな音に耳を澄ませていたような気がします。例えば、風の音に、雨の音に、そして夜の静かさに…。


 ローカル線の旅をしました。奥羽本線で大館から県境を越えて青森へ向かう山の中のことです。なぜか、石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」の「北へ帰る人の群れは誰も無口で…」というフレーズがメロディーとともに思い浮かびました。当然それは「海鳴りだけを聞いている…」と続きます。そしてそれが頭の中で繰り返されるのです。

 確かに車内の誰もが、黙って窓の外をぼんやり眺めていて入るのですが……、山の中なのになんで「海鳴りだけを聞いている」なんだろう…と思ってしまいました。静かな車内に伝わるレールの響きが、波の音の記憶を呼び覚ましたのでしょうか。

 …そう言えば最近は、波の音にしろ、レールの響きにしろ、「耳を澄ませる」ということが少なくなったような気がします。

 若かった頃はもっといろいろな音に耳を澄ませていたような気がします。例えば、風の音に、雨の音に、そして夜の静かさに……。そしてその頃は、その中に何かの声を聞き取ることができたように思います。

 ローカル線の旅に出てみてください。そしてぼんやり車窓を眺めましょう。日常から解放されます。運が良ければ…、聞き取ることのできなかった声を、聞き取ることができるかもしれません。

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